イスラム教とキリスト教 知られざる「セックスの大疑問」(島田 裕巳) | 現代新書 | 講談社(1/2)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91495
(前略
イスラム教のスンナ(預言者ムハンマドの残したことばや行動を伝えるもの)には、注目されるものがあります。「婚姻の書」のなかに、次のような伝承があります。
ジャービル・ブン・アブド・アッラーが「結婚しました」と言ったとき、神の使徒は「どんな女か」と尋ね、「既婚の女です」と答えると、彼は「なぜ乙女とその愛撫を選ばなかったのか」と言った(『ハディース イスラーム伝承集成』5)。
この伝承からすると、ムハンマドは、処女との結婚をより好ましいものとしていたことになります。ムハンマドがいったい何人の妻と結婚したのかについてははっきりしないところがありますが、最初の妻であるハディージャは15歳年上の寡婦で、処女ではありませんでした。
これに対し、最愛の妻とされるアーイシャは処女でした。
「婚姻の書」では、「アーイシャによると、彼女は6歳のとき預言者に嫁ぎ、9歳のとき正式に結婚し、9年間共に暮らした、という」(同)とあります。正式に結婚したという箇所には、訳者が「実際に性的交渉をもつこと」という注釈を施しています。
このためイスラム法では、女性は9歳で結婚が可能だとされています。アーイシャが9歳のとき、ムハンマドは56歳でした。
(以下略