大阪市、水道管の更新事業が長期化へ 「民営化」方針が頓挫

 大阪市は28日、老朽化した水道管の更新事業の基本的方向性を発表した。運営権を民間に渡す「コンセッション方式」を目指していたが頓挫したため、事業の一部を民間に委託する方式に切り替える。ただ、16年間で約1800キロを更新する当初計画は崩れ、長期化は避けられない見通しとなった。

 大阪市内の水道管は全長約5200キロあり、このうち50%が法定耐用年数の40年を超える(2021年3月末時点)。市は南海トラフ巨大地震に備えるため、老朽化した水道管の更新は喫緊の課題と位置づける。

 作業のスピードアップなどを図るため、民間に計画や設計、施工など一連の業務を委ねるコンセッション方式を導入する方針を決定。22〜38年に約1800キロを更新する計画を立て、事業費上限は3750億円を見込んでいた。

 だが、公募に応じた二つの企業グループが昨秋、採算が合わないことなどを理由に辞退。そこで市は、市の関与と民間委託を組み合わせる方式で進めることにした。24〜31年の約8年で主要部分の約40キロを更新し、事業費は250億〜300億円程度と見込むが、その先の計画は未定という。
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