貧困が子どもの発達に影響するということが初めて研究によって示される
2022年01月27日
2018年に新しく始まった「乳児の脳活動に対する貧困介入の影響」の研究では、まずアメリカ国内の出産直後の母親1000人を募集し、全員にデビッドカードを配布しました。
このデビッドカードでは、母親1000人を毎月333ドル(約3万8000円)を受け取れるグループと、毎月20ドル(約2300円)のみのグループに分け、補助金が支払われます。この支払いは出生後から4歳4カ月に達するまで続きます。
新型コロナウイルスの影響もあり、1000組の参加者のうち435組が対面テストに回答し、子どもの脳活動または脳波の違いが記録されました。
結果を分析したところ、高額な現金を受け取ったグループの乳児は、低い額だったグループの乳児と比較して、「高周波数帯域」で高い脳波のパワーを示したと研究チームは報告しています。
以下の画像は、高額な現金が支給されたグループ(左)とより低額の現金が支給されたグループ(右)で、子どもの頭皮全体のヒートマップを比較したものです。
一番上の「シータ波」ではあまり違いが見えませんが、高周波数帯域に分類される「アルファ波」「ベータ波」「ガンマ波」では高額な現金を受け取ったグループの方が暖かい色(脳波のパワーが強い)になっていることが分かります。
「高周波数帯域」は成熟にともなって力が上がると言われる脳波のパターンで、研究では高い金額を受け取ったグループの子どもは「高度な教育を受けさせた時と近い数値」を記録したと研究チームは述べています。
https://www.pnas.org/content/pnas/119/5/e2115649119/F2.large.jpg
https://gigazine.net/news/20220127-cash-baby-brains/