<最新研究で原因が絞り込まれたことは、長くて辛い後遺症の治療法を解明する第一歩になる>

新型コロナウイルス感染症では回復後にも長く続く後遺症が多くの患者を苦しめているが、最新の研究で後遺症の発症リスクを予測できる4つ危険因子が明らかにされた。

査読付きの科学誌セルのオンライン版に1月26日に掲載された論文「新型コロナウイルス感染症の急性期後に発症する後遺症の複数の早期要因」は、「ロングCOVID」と呼ばれる長期にわたる新型コロナの後遺症のリスク要因を調べた研究だ。回復後も長く続く症状は、味覚障害や息切れ、集中力の低下や記憶障害など多岐にわたる。

世界中の多数の研究者と連携し、209人の患者のデータを解析したこの研究で、長期の後遺症をもたらす重要な要因が4つ浮び上がった。2型糖尿病、新型コロナウイルス血症、エプスタイン・バー(EB)ウイルス血症、特定の自己抗体の存在だ。

新型コロナウイルス血症は、新型コロナウイルスが患者の血液に侵入することで引き起こされる。新型コロナウイルスは「血液も含め細胞内で増殖する。ウイルスが血液に侵入すると、血液の環境が変わり......酸素など体の正常な機能に不可欠な成分の血中値が変わる」と、米国立衛生研究所(NIH)は警告している。回復後も後遺症が続く患者では、血漿中にウイルスが長くとどまり続けていることがある。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/01/4-160_1.php