菅直人元首相が橋下徹前大阪市長に関し<主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後
の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす>
というツイッター投稿について


この投稿は二つの点で問題です。一つは、ポピュリズムとファシズムとの区別がついていないと言うことです。 橋下徹さんは、典型的なポピュリストであり、ポピュリズムとは、一言で言えば口先の集団です。
それに対して、ファシズムは暴力を有して、それをためらいなく実行する殺人者の集団です。ヒトラーは紛れもなくファシストです。
ファシズムは弁舌の巧みさで終わるのではなく、その背後に暴力を剥き出しにしているのです。
日本のファッシストは、 日本第一党党首の桜井誠です。彼は川崎の街を「朝鮮人は殺す」と叫びながら練り歩きました。
その
動画を見てショックを受けました。公然と殺すと言う、これがファシズムなのです。ヒトラーも勢力を誇示したのは、クリスタルナイトです。公然たる暴力の発動、それがファシズムなのです。

もう一つの問題点は、橋下徹さんをヒトラーと喩えることでファシズムの恐ろしさをぼやかしてしまうことです。
ファシズムの恐ろしさは、弁舌の巧みさなどで説明できるものではありません。橋下徹さんはポピュリストで、彼に剥き出しの暴力の要素は希薄です。
勿論、ポピュリズムが極右と重なりファシズムに転嫁する危険性はあります。しかし、ポピュリズムとファシズムは違うのです。この違いに気がつかず、表面的な弁舌の巧みさで両者を括るのは間違いです。
ポピュリズムの危険性、ファシズムの恐ろしさ、そこは峻別して考えるべきなのです。

http://www.labornetjp.org/news/2022/1643530450429staff01