記事の代表的なパターンは、テレビやTwitter、ブログ、ラジオなどから有名人の発言や、ネット上の反応を抜粋し、まとめたものだ。
そこには「○○氏が『××』と発言し賛否両論の議論に」といった具合に興味を引くタイトルがつけられる。
有名人の発言が炎上したり、なにか事件を起こした日には、必ずと言っていいほど多くのメディアがそれに追従して記事を作るのが現状である。
筆者はこのパターンの元祖は、2008年に大バッシングを受けた歌手の倖田來未氏による、ラジオ番組での「35歳で羊水は腐る発言」にあるとみている。
当時、この発言を複数のネットニュースが報じた結果、人気歌手だった彼女は活動自粛にまで追い込まれた。
おそらく、これまでにないPVを稼いだメディアもあったはず。以降、「有名人の失言は儲かる!」という意識が出てきたのか、
特に取材もない、有名人の発言とネット上の感想だけをまとめた記事が量産されるようになった。
最近だと同じくラジオ番組での発言だが、ナインティナインの岡村隆史氏が「美人さんが風俗嬢をやります」と発言し、批判を集めた。
もちろん、この時も各メディアがこぞって記事にした。
かつて、メディア業界では取材をしない「コタツ記事」は恥ずかしいものとされていた。ところが、今や貴重なドル箱になってしまった。
何しろ、コタツ記事は読まれる。転載先であるYahoo!ニュースのアクセスランキング上位に来るものも多い。
そりゃそうだ、「有名人」の「過激な発言」をあえて選んでいるのだから。
コタツ記事を作るメディアが定期的に記事にする「PVを稼いでくれる有名人」は、たとえば以下の人たちである。実際にネットでその名を目にした読者も多いはずだ。
https://i.imgur.com/iwt85JW.jpg
ほかにも様々な有名人の言動が記事化されているが、もはやコタツ記事を量産するメディアにとって、
「ウォッチすべき番組」や「ウォッチすべき人物」は固定されている。
とりあえずワイドショーのコメンテーターや、Twitterで過激な発言が目立つ有名人の発言を正確にメモして、SNSで騒動になった直後に記事化すれば、
大量にPVを稼げる。うまくいけば1本の記事で百万円単位の儲けが出ることもある。
さらに記事にかかる費用は、数千円から〜1万円程度の原稿料のみ。儲けを優先するならば、これをやらない手はない。
結果、ネットニュース業界はコタツ記事だらけになってしまった。
https://toyokeizai.net/articles/amp/408372