天使!男性2人が雪道救助 福島大の外国人教授「お礼言いたい」 
2022年02月03日 08時40分

 福島大環境放射能研究所特任教授のマーク・ジェレズニヤクさん(71)=環境水文学=は先月のある夜、土湯温泉近くの山深い県道で車を運転中、雪にはまって動けなくなり、車で通り掛かった男性2人に救助された。2人の名前や連絡先は分からず、ジェレズニヤクさんは「激しく雪が降る中、救助に当たってくれて天国からの使者のようだった。直接お礼が言いたい」と再会を強く願っている。

 「I got lost in the forest!(森の中で迷子になった!)」。1月20日午後8時すぎ、ジェレズニヤクさんは、同研究所職員に電話でそう告げた。福島市松川町と土湯温泉をつなぐ県道土湯温泉線の土湯温泉に近い坂道で、タイヤが雪にはまった。携帯電話も通じない場所だったため、携帯が使える場所まで山の中を歩き、電話した。

 この職員を通じてロードサービスに連絡。到着を待っていると、土湯温泉方面から来た50代と20代ぐらいの男性2人が車を止め、車と車をロープでつないで雪の中から引っ張り出してくれた。安全な場所まで誘導すると「グッバイ」と言って去って行った。

 日本語が分からないジェレズニヤクさんは、2人のことをロードサービスのスタッフだと思い込んでいた。しかし翌日、ロードサービスのスタッフはこの男性2人から「もう助けたから大丈夫」と告げられ、引き返していたことが分かった。

 ジェレズニヤクさんはウクライナ・キエフ出身。旧ソ連チェルノブイリ原発事故による川の汚染を調べる研究者で、東京電力福島第1原発事故の発生を受けて2013(平成25)年から福島大に勤務している。

 キエフも雪が降るが、山道が少なく、雪の坂道の運転経験は少なかったという。当日は購入したばかりの車で土湯温泉に向かっていた。「雪の日の運転は避けるべきだった」と反省を口にし「約2時間かけて救出してくれた優しい心、美しい心に感動している」と話している。

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雪にはまって動けなくなったジェレズニヤクさんの車(手前)の救助に当たった男性2人の車(奥)=1月20日、福島市(ジェレズニヤクさん提供)