逆風の中、大胆かつ細心に成長 「富士フイルム 大西實社長」を振り返る

富士写は米国サウスカロライナ州の工場で95年から96年にかけて、印画紙とカラーフィルムの中間・最終加工を行う現地生産を開始。
その後、昨年末までに、共に原材料から製品まで一貫生産する体制を整えた。これで価格や商品配送の競争力が付き、米国での富士写製品のシェアは急速に伸びている。

 カラーフィルムだけでみても、96年の10%から15%になったといわれ、逆にコダックは75%から70%へ低落したとみられている。
一見、コダックがまだ大きくリードしているように思えるが、世界第2の市場である日本では、富士写の70%に対し、コダックは10%。
世界最大の米国市場でシェアを伸ばすということは、96年の世界シェアで5ポイント先行していたコダックにもうじき肩を並べるところまで来たということになる。

 しかし、大西はついぞそんなことを口にしない。「コダックは世界の写真市場の巨人。肩を並べるなんてとても。背中がようやく見えたというところでしょう」

https://business.nikkei.com/atcl/plus/00025/020100002/?P=2