昨年10月に岐阜県羽島市正木町の民家などが全焼した放火容疑事件で、県警捜査1課と岐阜羽島署は3日、事件前に被害者の男性会社員(68)の建物を自分の所有に変えようと、偽造した書類を同市役所に提出するなどして、保険会社から火災保険金4千万円をだまし取ろうとしたとして、本巣市三橋、50代の会社役員の男を偽造有印私文書等行使と詐欺未遂の疑いで逮捕した。

 逮捕容疑は昨年7月7日、放火されて全焼した男性の住宅と物置を、自分の所有に変更するよう偽造した名義変更申請書を市役所に提出。同年10月12日ごろ、住宅と物置の所有者であるかのように装い、名古屋市の保険会社に建物の保険金請求書を、同26日ごろには名義変更申請書の写しを郵送し、保険金4千万円をだまし取ろうとした疑い。

 署によると、名義変更申請書は男性とは異なる筆跡で書かれていた。男は昨年7月、保険会社との間で住宅と物置の火災保険契約を結んでいた。署は認否を明らかにしていない。

 火災は昨年10月2日夜に発生し、木造2階建て住宅約200平方メートルと木造平屋の物置約150平方メートルが全焼した。署は1月、いずれも岐阜市小野の会社員の男2人を現住建造物等放火の疑いで逮捕。今回逮捕された男は2人と仕事で付き合いがあり、男性とは仕事でたまに顔を合わせる間柄だった。

 署は男が放火にも関与したかなど事件の全容解明を急いでいる。

https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/39621