上皇さまに「男だねえ」故・石原慎太郎氏 反皇室でも最大級の賛辞を送った政治家の気風 〈dot.〉(AERA dot.)
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(前略

1959(昭和34)年4月10日、世紀の恋愛と評された明仁皇太子と美智子さまのご成婚が執り行われた。

日本中が熱狂したこの時に起きた「事件」を記憶している人は、もう少ないかもしれない。

おふたりの乗ったご成婚パレ―ドの馬車が二重橋を出て祝田橋を渡ろうとした直前、一人の少年がおふたりに向かって投石し、馬車によじ登るという事件が起きたのだ。

それから数カ月後。若き青年であった石原氏は、月刊『文藝春秋』8月号に、「あれをした青年」という原稿を寄せた。

<皇室や皇太子の問題は僕にとって考える必要のない関心の外にある。いや、外と言うより、思考以前に無意味なものでしかないと思う。天皇が国家の象徴などと言う言い分は、もう半世紀もすれば、彼が現人神だという言い分と同じ程笑止で理の通らぬたわごとだと言うことになる、(略)>

石原氏が書いた「あれをした青年」とは、投石事件を起こした少年のことだ。

騒動のあと、この少年が石原氏を訪ねてきたのだという。そして、天皇制への反発や奉祝ブームへの違和感から投石した心情を訴えたそうだ。石原氏は、少年に対して、こう共感を寄せた。

<天皇制を、皇室の関心の対象から無意識にしめ出している我々の世代の実感を僕は健全と思う>

(後略