https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/cms/asset/d916bff6-1a2b-47ed-be34-75caab27c4d9/fee2443-fig-0001-m.jpg
https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/cms/asset/8402641c-d557-4242-887d-ccc86fbc334c/fee2443-fig-0002-m.jpg
日本固有種の二ホンリスが、幻覚作用のある代表的な毒キノコ、ベニテングタケを日常的に食べていることが明らかになった。
神戸大学の末次健司准教授と在野の写真家の五味孝一氏は、長野県で二ホンリスがベニテングタケやテングタケを日常的に食べる姿を発見したと、科学ジャーナル「Frontiers in Ecology and the Environment」最近号で報告した。
末次准教授は「同じ固体の二ホンリスが数日間にわたってベニテングタケの子実体を食べ続けたことから、この毒キノコを安全に摂取している可能性が高い」と明らかにした。
ベニテングタケは赤い傘に白い斑点がある典型的な形の毒キノコで、ムスカリンなどの毒素を含んでおり、人が食べると閃望や幻覚、発作を起こし、死に至る場合もある。
実際、このキノコを伝統社会で天然の幻覚剤として利用した事例がシベリアなどで記録されている。酒に漬けて飲んだり、ハエトリとして使う例もあった。
英国の童話作家ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』で「キノコを食べると体がネズミのように小さくなったり、家ほど大きくなったり、蛇のように首が長くなったりする」という部分についても、「物の大きさが歪んで見えるのはベニテングタケを食べた人の典型的症状」だと研究者たちは明らかにした。
しかし、二ホンリスがベニテングタケを幻覚剤として使っているかどうかは定かではない。
研究者らは「二ホンリスがベニテングタケを餌として利用できるように、毒性に適応している一方、ベニテングタケはリスに胞子を運んでもらう助け合いが起こっている可能性がある」と指摘した。
ベニテングタケは世界に広く分布しているが、韓国ではなかなか見られない。
国立樹木院が発刊した「毒キノコ生態図鑑」は「このキノコは京畿道広陵(キョンギド・クァンルン)で初めて記録されたが、そこでも発見できず標本がない」と記されている。
テングタケはこれより多く、ベニテングタケに似た幻覚作用がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/66d3edbbc79f9e913d09f4582fec8108f6fb0448