一連の大学入試改革を検討した文部科学省の中央教育審議会の高大接続システム改革会議。第2回会議(2015年4月)に、東北大と早稲田大が入試区分ごとに入学後の成績などの資料を提出している。両大学の理事が同会議の委員を務めていたためだ。

早稲田大の恩藏直人・常任理事によると、第1回会議で安西祐一郎座長(元慶応義塾長)から「今後、入試改革を検討するにあたり、すでにいくつかの大学でいろいろな取り組みをしているので、実態を紹介してほしい」と要請があり、資料を用意したという。両大学とも過去10年間の学生のGPA(成績評価)を集計して分析した。

東北大は、2000年度からAO入試を導入し、国立大学で最もAO入試に熱心な大学だ。大学入学共通テスト(当時は大学入試センター試験)を課さず11月に行うAO入試U期と、共通テストを課して2月に行うAO入試V期を続けている。

(中略)

最近の入学後の成績を見ても、4年間のGPA平均は、20年度卒業生で一般入試前期2.52に対して、AOU期2.72、AOV期2.74と高い状況は変わらない。特に文系学部でその差が顕著だ。

また、卒業者を対象にした調査では、「大学生活における学習の重要度」「大学で学んだことの総合満足度」などもAO入学者の方が高く、「自分の能力の評価」では、文章表現の能力、プレゼンテーション能力で一般入試と差がついている。

(中略)

早稲田大の入試方法には、一般選抜のほかにAO入試、指定校推薦があり、附属・系属校からの内部推薦、帰国生・外国学生入試などが加わる。高大接続システム改革会議に提出した資料では、入学後のGPAが最も高いのはAO入試、次いで高いのが指定校推薦とある。

https://www.asahi.com/edua/article/14540038?p=2