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米国株はさらなる下落も? 米国株ファンドの保有者はいま何をすべきか
2022.2.9
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2021年に投資信託市場を席巻した米国株が揺れている。

株式市場では一般的に、直近または52週の高値から終値が10%下落すると「調整局面」、同じく20%下落すると「弱気相場」に入ったと定義される。中でも、ハイテク株が中心のナスダック100指数は、米国金利の上昇が嫌気され、いち早く調整局面に入った。かねて指摘されてきた米国ハイテク企業の割高感は、低金利環境下でこそ許容されていたが、金利上昇に伴い、風向きが大きく変わったというわけだ。

ただし、これは決して想定外の動きというわけではなく、むしろ十分に想定されていた。筆者が本連載で米国一辺倒の投資に警鐘を鳴らしてきたのは、「いつかは来る」とみられていた調整局面で、積立をやめるなどの不合理な投資行動を起こさないためである。「損失の苦痛は、利益を得たときの喜びの2倍強く感じられる」というのは、行動経済学でよく知られた人間の不合理な行動の1つである。

長期投資を前提とした時、米国株が有望な投資先であることは間違いない。積立にしてもバイ&ホールド戦略を取るにしても、投資資金に全く手を付けることなく、10年単位の時間を充てることができるなら、足元の状況を気にする必要はないだろう。「20%程度の下落なんて全く気にならないし、不安定な環境が数年続いても大丈夫」という場合も同じだ。

しかし、年初からの下落に少しでもヒヤリとした、あるいは、米国株に対して「イメージしていたものと違う」と思ったなら、長期投資を前提としていても、足元で何が起きているかは最低限押さえておいたほうがよいだろう。マーケットのメカニズムを理解することは、先述した不合理な投資行動を回避することにつながる。
https://trilltrill.jp/articles/2399330