>>39
面白い部分もあるんだけどくどい部分も多くてな
こういうのとか


シュウは空間転移の術式を幾つかに分解していく。
術式の構成そのものは、シュウからすればそれほど難しくはない。

(座標指定、移動魔術、そして時間魔術か。主軸は時間魔術による慣性系の設定。慣性系の固有時間を定義することで空間を超越したように見せかける。それが空間魔術の正体か)

要領は移動魔術と同じだ。

しかし座標移動を魔術陣で記述した場合、通常空間での固有時間が術式の変数として組み込まれて術が発動する。しかしその固有時間を制御する部分を時間魔術で操作すれば、移動そのものが世界から切り離されて発動する。

具体的には、通常世界の慣性系Aで移動術式の関数fを発動すれば、固有時間のせいで光速という限界値が存在してしまう。しかし魔術で構築した慣性系Bへと座標変換し、また固有時間設定によって慣性系Aと比較すれば超光速となるように時間魔術を組むのだ。慣性系Aにおける移動術式の関数fは慣性系Bにおいて関数gに変換され、関数gは慣性系Bの固有時間において移動の処理を終える。その処理を座標変換によって慣性系Aへと再変換すれば、通常世界である慣性系Aにおいても移動が完了したことになる。この時、慣性系Aでは固有時間が経過していない。

これによって見かけ上の転移が発動する。