世の中「一発屋」なんて人を揶揄する言葉がありますが、大大大前提として、し烈な競争社会において一発当てることはとんでもなく難しいことであり、それだけですでに偉大なのです。

そんななか、アンケート至上主義とされる「週刊少年ジャンプ」という戦場で、一発どころか、二発以上ヒット作を持つ、神に選ばれたとしか思えないマンガ家の先生が多くいらっしゃいます。
本稿ではそのなかでも、現段階において確実なヒット作を2作品持っていらっしゃる先生を、少々、軽薄な響きの呼称ではありますが「2発屋」と讃えて、その偉業をご紹介します。

●奇跡のカムバックを遂げた……島袋光年先生  この方の存在は「ジャンプ」史において重要です。1997年に『世紀末リーダー伝たけし!』を連載開始すると、これが大ヒット。

初期はヒューマンドラマの要素が強かったですが、のちにギャグ編とバトル編を交互に連載するという変わった連載構成になります。  ことギャグ編における影響は大きく、『ボボボーボ・ボーボボ』の澤井啓夫先生をはじめ、ギャグマンガのみならず、お笑いシーン全般に大きな影響を与えました。ただ、残念ながら『たけし』は先生の不祥事で打ち切りとなってしまいます。

 しかし、「しまぶー」はカムバックします。読み切りとして発表していた、美食バトルファンタジー『トリコ』でジャンプ本誌に連載復帰。これがコミックス全43巻のロングラン作品となり、累計発行部数はなんと2500万部を突破します。アニメも放送され、『たけし』と並んで島袋先生の代表作となりました。

●2ジャンル制覇!矢吹健太朗先生  可愛い女の子キャラを描かせたら他の追随を許さない矢吹健太朗先生ですが、ある世代の方々はその「転身」ぶりに驚かされたことでしょう。  矢吹先生は2000年連載開始の『BLACK CAT』で、スマッシュヒットを飛ばします。

能力系バトルマンガにクライムサスペンスの要素を取り入れた本作は、主人公トレインをはじめとする男性キャラのあふれんばかりの魅力に女性読者の心もつかみ、連載終了後もアニメ、ゲーム、小説と多くのメディア展開がされました。

 そんな矢吹先生は、2006年にジャンプ本誌で『To LOVEる -とらぶる-』(脚本:長谷見沙貴)を連載開始。これが第1話から過激なお色気シーンの連続で、前作とはうって変わって男性読者の脳髄を蹴飛ばしに蹴飛ばし、大ヒットとなりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/92714885ba66be8074e4c8e7c43b4efa21f36b2f?page=1