大阪府箕面市・北芝地区を訪れ、NPO法人「暮らしづくりネットワーク北芝」の池谷啓介さん(右)に話を聞く斎藤幸平さん=梅田麻衣子撮影
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/02/06/20220206ddm014040111000p/9.jpg

 日本初の人権宣言である水平社宣言は、日本の人権運動の淵源(えんげん)である。
この宣言には<万国のプロレタリアよ団結せよ>で有名なマルクスの「共産党宣言」の影響がうかがえるが、日本の労働運動が部落問題を含めたマイノリティー問題にしっかり向き合ってきたとは言い難い。
無知な私にメッセージを寄せる資格があるのか、と何日も考えこんでしまった。

 だが、「知らない」を言い訳に差別問題から目を背けるのもマジョリティーの特権だろう。だから、部落差別を学びたいと思った。
解放同盟に勉強会の開催をお願いし、12月中旬、大阪府箕面市の北芝地区を訪れた。

 NPO法人「暮らしづくりネットワーク北芝」の事務局長、池谷(いけがや)啓介さん(48)に案内してもらったのは、法人が運営するコミュニティースペース「芝楽」。
空き地を活用しようと住民らとワークショップを重ね、地域の人が集える場として04年に誕生した。広場に置かれた二つのコンテナには総菜と弁当の店、駄菓子屋などが入る。
整備当初から同法人でまちづくりに関わる北芝出身の埋橋(うずはし)美帆さん(39)は「芝生を植えたりイベントを考えたり、自分たちが主体になって場をつくってきた」と語る。

https://mainichi.jp/articles/20220206/ddm/014/040/020000c?inb=ra