北京五輪にどうしても感じてしまうグロテスクさの正体
開会式も競技も、北京五輪はどこが「おかしい」のか
2022.2.10(木)
福島 香織

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専制国家の平和に通じる「イマジン」の世界

さらに、ぞっとしたのがジョン・レノンの「イマジン」に合わせて多様な人種の人たちがまっすぐ一列になって歩む姿だ。
イマジンは東京夏季五輪でも流され、いかにも平和とスポーツの祭典にふさわしいテーマソングのイメージがある。

だが、考えてみれば「天国も地獄もなく、国も宗教もなく、飢えることなく平和に暮らせる一つの世界」というのは、
まさに専制国家が監視とコントロールで作り出す平和の形ではないか(実際にイマジンに対しては発表当時から共産主義的だという批判がある)。

恐怖政治によって異論や反論を封じられ、異なる思想を持ち、考え議論することを禁じられ、権力者に絶対歯向かわない社会ならば、平和が約束される。
だが、それは家畜の安寧だ。

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https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68809