女性を対等とみなさない“インセル”
日本でもネット上で自称「非モテの弱者男性」の一部が「女を再分配せよ」と主張しているが、女はモノではない。これも「男には女を所有する権利がある」と認知が歪んでいるからで、その歪みこそが男性優位社会の産物だろう。
「女を所有してこそ一人前」「女をモノにできない自分は男社会で認められない」という劣等感から女を逆恨みするのも、ホモソーシャルの産物だ。
(話がそれるが、リアルナンパアカデミーの集団準強姦事件*で逮捕された塾生たちは女性との性交回数を競い合っていたそうだ。セックスすることよりも、仲間から称賛を集めることが目的になっていたという。これも「モノにした女の数が男の価値」というホモソーシャルとミソジニーの産物である)
インセルに話を戻すと、彼らは女性を自分と対等な人間だと思っていない。だから「女のくせに、俺を拒絶しやがって」「女のくせに、幸せそうにしやがって」「自分の思い通りにならない女が憎い、そんな女に復讐してやる」と憎悪をつのらせるのだ。
2014年アメリカでは、インセルを自称する22歳の男が「女への復讐」を宣言して、6人を殺害して14人を負傷させたのちに自殺した。
犯人のエリオット・ロジャーはインセルコミュニティで崇拝され英雄視され、その後、インセルによる凶悪事件の連鎖が起こっている。
2018年にはフロリダ州の高校で乱射事件があり、17人が殺された。この犯人も「エリオット・ロジャーは不滅だ」とネットに書き込んでいた。
同年カナダでは「インセル革命はすでに始まっている! 最高紳士エリオット・ロジャー万歳!」とSNSに投稿した男が車で通行人に突っ込み10人を殺害した。
https://president.jp/articles/-/48969?page=2