精神科医が教える、発達障害「グレーゾーン」とその“生きづらさ”への処方箋

長年生きづらさや生きることへの違和感のようなものを感じていて、それがいったい何なのか、悩んできたという状況で、もしその原因が「発達障害」によるものなら、一歩前に進めるのではないかという期待も抱いているということだ。

長時間かけて発達検査も受けたみたものの、結局、障害というほどではなく、「グレーゾーン」、つまり、境界域だと判定されることもある。

 障害というレベルには該当しなかったのだから喜ぶべきはずだが、多くの人は、もっと複雑な反応を示す。
彼らとしては、自分の生きづらさの原因を「発達障害」に求めて、長い時間と労力、費用もかけて診察や検査を受けたのに、
結局、どちらとも言えないという曖昧な答えだけが返ってきて、それをどう受け止めればいいのか戸惑っている。

 障害というほどではないと判定されたことは、自分の生きづらさや苦しみが、それほどではないと言われたような気もちになる人も多い。
障害というほどではないのに、自分がこんなに悩んでいるのは、自分がただ過剰反応しているだけなのか。
自分が長年味わってきた苦しみを、軽くあしらわれたような気もちになり、すっきりするどころか、もやもやがかえって深まってしまうこともある。

では、はたして、グレーゾーンと判定される問題は、それほど苦しむような深刻な問題ではなく、軽く受け止めればいいのだろうか。生きづらさも、障害レベルの発達障害に比べれば、軽いと考えればいいのだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/41742921bb95354ca7072d34c10c31e775615ceb