ホームレスの男 アジア人女性を追って部屋に侵入、刃物で殺害

ニューヨーク市警察は13日、マンハッタンのチャイナタウンにあるアパートで、女性の後をつけて部屋に押し入り、刺殺したとして、ホームレスの男を逮捕した。ニューヨークポスト紙が報じた。

建物の監視カメラの映像には、建物一階の扉から、女性に続いて男が侵入し、背後を歩く姿が撮影されている。

逮捕されたのはアサマド・ナッシュ(Assamad Nash)容疑者(25)。情報筋によると、多くの犯罪歴があり、現在も判決に至っていない3件の事件があるという。

殺害されたのは、韓国系アメリカ人のクリスティナ・ユナ・リーさん(35)。デジタルプロデューサーで、昨年ニュージャージー州から引っ越してきたという。

捜査関係者は、ヘイトクライムの可能性も視野に入れて捜査をしていると明かしている。

同紙によると、午前4時30分頃、建物6階(111 Chrystie Street)の部屋から、女性の悲鳴が聞こえるとして、向かい側の住人から通報が入った。

近くにいた警官が急行。この際、中から助けを呼ぶ声が聞こえたという。警官はハンマーなどを使ってドアを破ろうとしたが、開けることができず、緊急サービス隊の到着を待たなければならなかった。

情報筋によると、ナッシュ容疑者は一度、非常階段をつたって逃げようとしたが、屋根に登った警官に見つかり、室内に戻って立てこもった。警官らが中に押し入った際、ベッドの下に隠れていた。

リーさんは、バスタブで発見された。複数箇所から出血していたという。午前5時55分に、救命隊員によって死亡が確認された。

室内から凶器と見られる血のついたナイフが発見された。捜査関係者は、リーさんのキッチンにあったものと見ている。ナッシュ容疑者も刺し傷を負い、逮捕後、ベルビュー病院に搬送された。

監視カメラを確認した家主は、ポスト紙に、近くでタクシーを降りたリーさんを、ナッシュ容疑者が後からつけたと説明。閉まる直前に玄関扉をつかんで侵入し、階段を上がるリーさんを、一階遅れる程度の速さで、背後から追っていった。「それから、彼女のドアがちょうど閉まるのを待って、中に入った」と語った。事件後、部屋には大量の血が流れていたという。

ナッシュ容疑者は昨年9月、グランドセントラル駅で、男性の右目を殴打した疑いで逮捕、第三級暴行罪で起訴された。保釈金なしで身柄を解かれたが、出廷の日に姿を現さなかったことから改めて逮捕された。しかしこの後、再び釈放されていた。ポスト紙は、保釈金が設定されなかった理由を、2020年の州法改正によるものだと指摘している。

昨年1月には、駅の券売機を損傷したほか、逮捕時に抵抗したなどとして、27件の罪で起訴されたという。

https://www.mashupreporter.com/asian-woman-fatally-stabbed-inside-nyc-apartment/