日本医師会の釜萢(かまやち)敏常任理事は16日、新型コロナウイルスの全国の感染状況について、「ピークアウトしたと評価できると思う」と述べた。国立感染症研究所も同日、感染者1人が平均何人にうつすかを示す「実効再生産数」が1月31日時点で「0・98」だったとの結果を公表しており、今後感染が落ち着く可能性がある。

 釜萢氏は感染症対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の委員などを務めており、日本医師会の記者会見後、記者団の取材に応じた。釜萢氏はピークアウトした可能性に触れつつも、「その速度は極めてゆっくりだ。重症者や死者は新規感染者よりも遅れて増えるので、今後も増加する可能性が高い」と指摘した。

 実効再生産数は、感染の広がりやすさを示す数字で、感染状況のトレンドを見る重要な指標の一つとなっている。流行の「第6波」に入ってから1を下回ったのは初めて。

 後藤茂之厚生労働相は16日のアドバイザリーボードの会合で、15日時点での週平均の新規感染者数について「(前週比で)減少の動きがみられる」などと言及した。【神足俊輔】

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