まるで「悪に立ち向かう正義のヒロイン」扱いだ。
15日のショートプログラム(SP)で自己ベストの79.84点を叩き出し、3位となったフィギュアスケートの坂本花織(21)。1位ワリエワ、2位シェルバコワ、4位トルソワとロシア勢がひしめく上位陣に食い込む圧巻の演技だった。
これに反応したのが世界中のスケート関係者だ。元米国代表で2014年ソチ五輪団体銅のアシュリー・ワグナーは「ショートで幸せになる瞬間をカオリがくれた」と称えれば、元男子カナダ王者のナム・グエンは「これがリアルなスケートとパワーだ」と絶賛した。
それだけ坂本のスケートが優れていたということだが、グエンが「リアル」と付け加えたように、中には思わせぶりや過剰とも言える称賛もある。
米国代表マライア・ベルのコーチを務めるアダム・リッポンはSP後、「今夜は日本人の女性スケーターが最高だった。暗雲垂れ込める中、光になってくれた」とツイートすれば、米国のフィギュア記者、ジャッキー・ウォンは「カオリは我々の唯一の希望」とまで言ってのけた。元フィンランド代表のキーラ・コルピに至っては「坂本と(5位の)樋口がSPの女王だ!」と、ロシア勢をいないかのように扱っている。
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