批判報道にブチ切れ?NY市長 メディアは「人種差別」

エリック・アダムス氏とメディアとの「ハネムーン」は、早くも終了?

今年1月にニューヨーク市長に就任したアダムス氏は15日、市庁舎で開いた会見で、自身に対する報道が人種偏見に基づいていると非難。メディアの人材には多様性が欠けていると主張した。

Foxニュースによるとアダムス氏は、「私は黒人。そして市長だが、私の話は、私のような人々でない人物によって解釈されている」と記者の人種に偏りがあると指摘。編集部門に黒人やアジア人は何人いるのかと尋ねつつ、「ニュースルームを多様化すべきだ。そうすれば、われわれのような人物の見方に基づき、記事を書くだろう」と述べるなど、自身に対する批判記事が多いのは、人種偏見に基づくものだとの考えを示唆。メディアへの不満を露わにした。

不満の直接のきっかけは、司法制度改革に関する報道だったようだ。アダムス氏は14日、州都オルバニを訪れ、州議会のトップと保釈金制度の改正について協議を行った。2年前に改正された保釈金制度は、現在の犯罪増加の一因だと報じられている。

人種を切り札にしたと非難

アダムス氏の発言に対し、ニューヨークポスト紙の政治コンサルタント、ハンク・シャインコフ氏は、アダムス氏の市長生命は「犯罪を抑制できるかどうか」であり、人種を持ち出すのは助けにならないと指摘。

市長選の対抗馬、ガーディアン・エンジェルズのカーティス・スリワ氏は「彼は質問されるたびに、レースカード(人種の切り札)を切るぞ。彼を当選させた白人のメディアと編集委員は、いまや人種差別主義者だ」と皮肉った。

ニューヨーク州民主党の元事務局長、バジル・スマイクル氏はPIX11に対し、メディアの多様性は改善されると述べつつ、アダムス氏のフラストレーションの原因は、連日発生する犯罪への対応から生じるプレッシャーの可能性があると語った。

アダムス氏はニューヨーク市で2番目の黒人市長だが、政治サイトのポリティコは、メディアとニューヨーク市長の間には、「長い緊張の歴史」があると説明。デブラシオ前市長は「タブロイド紙の批判や嘲笑の的」とされ、ブルームバーグ元市長も質疑応答を中止すると脅し、記者から非難を浴びたことがあると伝えている。

https://www.mashupreporter.com/eric-adams-blames-press-racial-bias/