映画館からオリジナルアニメ映画が消える…?厳しい現状と今後の在り方について考察する

2016年、50館以上で公開された長編劇場単体作品は6作品。それを踏まえると昨年は11本で
コロナ禍で劇場が閉まっていた期間があったにも関わらずその約2倍となっている。

ただ、多くの作品が公開されている中、この作品の中から5億円を越えたのは
「竜とそばかすの姫(64.0億円)」「映画 えんとつ町のプペル(27.0億円)」のみ。
2億円を越えたのも「アイの歌声を聴かせて(2億円超)」のみとなっている。

アニメ映画の制作費の相場は1作につき2?3億円と言われており作画コストの高い作品は5億円ほどにも上る。
さらにTVのCMやネット広告、ポスターの掲示などの宣伝を打つ作品となるとそこから広告費も発生する。
深夜アニメの1話当たり制作費は1500?2000万円と言われており、90分の作品であれば少なくとも広告費を除いても最低5000万円はかかっているだろう。

簡単にアニメ映画の収益の仕組みを説明すると、「アイの歌声を聴かせて」の制作費+広告費が3億円と仮定する。
そうした場合2億円の興行成績は劇場と折半で2億円の内の50%である1億円が配給会社に入る。

そうなると製作費3億円で、売上は1億円なので
1億円(配給収入)−3億円(製作費)=−2億円

つまり2億円の赤字、ということになる。
援護射撃として、後の配信サービスへの提供や円盤売上で多少カバーはできるが、赤字を黒字にするのでやっとと言ったところだろう。
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