カミラ・ワリエワ選手のドーピング問題を巡り、コーチが過去に「選手の疲労を回復させるために何らかの薬が必要だ」などと述べていたとロシアメディアが伝えました。

 ロシアの大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツは10日、ワリエワ選手のコーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏が2019年に行われたインタビューで、メルドニウムに代わる新薬を探していると語っていたと報じました。

 メルドニウムはWADA(世界反ドーピング機構)が2016年に禁止した薬物です。

 トゥトベリーゼ氏は当時、「メルドニウムが使えなくなる日は分かっていた」としたうえで、「アスリートの疲労回復に役立つビタミンのようなものが必要だった。私たちは何か他の薬を探さなければならなかった」と述べています。

 今回、ワリエワ選手から検出されたトリメタジジンは、メルドニウムと非常に似た効果があるとされています。

 メルドニウムはロシアでは一般的な薬とされ、持久力向上のためにかつて多くのアスリートが使用していたということです。

 ただ報道から1週間経った今でもこの報道はロシアでもあまり話題になっていないため、SNS上では「なぜこの発言は忘れられているのか」などと指摘されています。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/amp/000245166.html

コーチのトゥトベリーゼ氏は、ロシアで「女帝」「氷の女王」と呼ばれる絶対的な指導者だ。門下生には18年平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワや、同銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワなどそうそうたる選手が。だがトゥトベリーゼ氏の厳しい指導についていけず、脱落するアスリートは多い。

「トゥトベリーゼさんは練習場を『工場』、選手を『材料』と呼び、私生活まで徹底した管理指導をします。化粧の仕方、歩き方、話し方までです。北京五輪前にはロシアのテレビ局のインタビューに答え、次のように話しています。『厳しく指導しなければ、メダルなどとれない。選手が私の思いどおりにパフォーマンスしないと、とても悔しく感じ叱りとばす』と。

メドベージェワが練習中にジャンプでミスすると、『失敗するのが好きなの? なら、転倒するのを手伝ってあげるわ』と叱責しています。指導を受けたザギトワは、平昌五輪後に『いつも不安がある。燃え尽きた』と語り一時競技から離脱。昨年5月には、ロシアの強化指定選手から外されました」(同前)

https://friday.kodansha.co.jp/article/230417