18日の金曜ロードショー(後9時)は、「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)が放送される。

ティム・バートン監督、ジョニー・デップが主演となれば、米ハリウッドではマーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオに並ぶ”ゴールデンコンビ”。1990年の「シザーハンズ」で初タッグ以降、16年の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」(同作ではバートン監督は製作総指揮)まで9作で組んでおり、本作はその4作目となる。

ウィリー・ウォンカ(デップ)が作るお菓子は世界中で人気だが、その製造工場は謎に包まれていた。ある日、ウォンカは自分の会社のチョコレートに封入した「ゴールデンチケット」を手にした5人の子供を工場に招待するとの声明を発表。選ばれた幸運な5人の中には、貧しいけれど家族思いの少年・チャーリーもいた。

5人がそれぞれの保護者と一緒に工場に足を踏み入れると、広がっていたのは夢のような不思議な世界。だが、感情の赴くままに行動する子供たちには、様々な出来事が待ち構えていた…という物語だ。

原作は1960年代に書かれた児童小説とあって、ストーリーは単純明快。また、「子供は大人の言うことを聞く」「家族は大切にする」などストーリーには道徳的な部分があり、やや”説教くさい”点も感じるのだが、そこは屈指のファンタジー作品の担い手であるバートン監督。色彩の面白さや魅力的なキャラクターによって、エンターテインメントとして昇華させている。

また、序盤で監督自身の代表作である「シザー―」を想起させるシーンが一瞬入るのをはじめ、名作へのオマージュがあちこちにちりばめられているのも面白い。「2001年宇宙の旅」は、すぐに分かる「サービス問題」だが、他に幾つ見付けることができるか、挑戦してみてほしい。

実は、本作はリメイク作品で、71年に同じ小説を原作とした「夢のチョコレート工場」という作品が公開されている。原題は「Willy Wonka&the Chocolate Factory」。ストーリーを考えると、こちらのタイトルの方が「Charlie and the Chocolate Factory」よりもしっくり来るような気がする。

「夢の―」は当時は日本未公開だったが、現在はDVDが発売されているので、興味があって見比べたい人はどうぞ。半世紀前の作品だけに演出面で見劣るのは仕方のないこととして、ミュージカル色が強いので演劇好きはハマると思います。(高柳 哲人)

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