>>315
 実は1990年の2月9日、モスクワで米露の会談があった。そこでアメリカのベイカー国務長官は言った。
「アメリカがNATO枠内でドイツに駐留し続ける場合にはNATOが東方へ1インチたりとも拡大しないという保証が重要」。
これに対しロシア・ゴルバチョフ書記長は「全般的に同じ考え」と返したという。
こういった会話が記録に残っているにもかかわらず現在のNATOの東方拡大は“約束違反”だとガルージン大使は言う。
 ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使
「約束の乱暴な違反ですよ。これは口頭の約束で、書面になっているものではないが、
あの当時ソ連の指導部とロシア連邦の指導部は、先方(アメリカ)は淑女と紳士だと思いまして“紳士的合意”と受け止めていましたが、
(アメリカには)紳士も淑女もいなかった」
 ウクライナは“キエフ・ロシア(ルーシ)”と呼ばれるほど
ロシアにとっては心のふるさとのような特別な場所であることも知らなければならないという。