平和主義や脱原発、現実味あります?

――私もどちらかというと立ち位置はリベラルだと思うんですけど、リベラルがマジョリティを取れるのかということもぜひお伺いしたいです。今、中国が台頭する中で、平和主義って本当に現実的なのでしょうか。

何が現実的かというと、とにかく戦争をしない。米中の対立を軍事力で解決してはならない。日本は安保関連法で、集団的自衛権の行使でコミットするかもしれない。ミサイル防衛計画で、島が狙われて戦場になる可能性もあるわけじゃないですか。だから政治はそのためにこそある。アメリカにも中国にも意見を言わなくちゃいけない。リベラルというより、基本的人権が大事にされる社会だよね。例えば軍拡競争に日本が踏み込んでいくと、国家予算はパンクします。これも現実的な話だと思いますね。

――安全保障だけじゃなくて例えば、脱炭素についても、原発も火力もやらないとなったら、電気料金が上がったり電力不足になったりして、困っている人がより困ってしまうんじゃないかと思います。それに対してマニフェストを読んでも現実的な解が正直あると思えませんでした。弱者の味方であったり福祉の政党であることは本当に素晴らしいと思うんですけど、そこがマジョリティになれないところじゃないかと思うんですね。

原発のことで私がいま本当に恐れているのは、原発再稼働をやっていたら、原発事故が起きるのではないかということです。だから脱原発が理想だよねって抽象的に言っているのではなく、すさまじい危機感なんですよ。世界の地震の1割が日本で起きていて、活断層があるかもしれない。津波が起きるかもしれない。

もう二度と日本で原発事故を起こさないためにも、脱原発しかないと思っていて、それはものすごくリアルな話だと思っているんです。近い未来、私たちはもう一回原発事故を経験するんですかと言いたいぐらいですね。

脱炭素についても、火力発電所をすぐに全部止めますという話じゃないです。まず新規をやめてみようということです。新規の大型の火力発電所を建てないでどうやってやるかというのも、細かくシミュレーションしていて、私は可能だと思っています。そういうのをもっと丁寧に言ったらいいかもしれませんね。

批判ばかりしていると分断を招きませんか?

――リベラルの今の運動に感じているのが、批判が行きすぎると分断が起きてしまうんじゃないかということです。分断が起きないように運動を進めるために福島さんが考えていることはありますか?

確かに誰一人取り残さないといっても、何を重点に置くかで利害が対立するように見えることはあるかもしれないですね。だからポイントは話し合うことだと思います。例えば今日もそうですが、そうかそうかとお互いに詰めなくちゃいけないことがあるじゃないですか。だから違いがあっても一緒にやっていくことは大事じゃないですかね。

――若者政策についてもお伺いしたいです。政治の世界って議員も投票する人も高齢の人が多いので、今の世代にあまり向かないと思いますが、どうすれば将来の世代に意識を向けることができると思いますか?

最近、若者の政策、LGBTQとか、雇用の問題とか、大学の授業料とかは国会ですごく議論になっているので、変わりはじめてはいますね。だからできるだけ若い人たちと話をして、一緒にやりましょうとは思っています。あとは供託金を下げたり被選挙権を18歳にしたりと、議員になるハードルを下げることは意味があると思います。

――政治家の取説を教えていただきたいです。取説というのは、取り扱い説明書。若い人たちは政治家をどう使えばいいでしょうか。

私は高校生や大学生から会いたいと言われると、極力会うか、一人でもZoomで応対するようにしています。例えばLGBTについてとか、選択的夫婦別姓はなぜ進まないんですかというのを1対1でZoomでやってきたりもしています。だから、メールの回答でもいいから教えてくださいとメールを送るのはどうですか?

あとは国会議員じゃなくて、地元の自治体議員でもいいかもしれないですよ。名簿を見て、女性議員で話せそうな人に話を聞くとか。それがいいと思いますよ。

――ぜひ皆さん、福島さんの事務所に連絡をしましょう。若者は社民党にいれた方がいいでしょうか。

入れて入れて。あなたの未来に戦争がないようにします。そして教育。社民党は高校の授業料の無償化だけど、給食の有機化と無償化にも取り組んでいるんですね。大学の授業料も段階的に下げていきます。そして、みんなが全員正社員になれるわけではないですが、正社員以外の道、それから、同一価値労働同一賃金、労働法制をちゃんとしていく、最低賃金1500円以上とかを掲げているので、私は若者にちょうどぴったんこだと思っています。