水素ガスは副作用のない新規な抗がん物質である
MiZ株式会社は、カルフォルニア大学バークレー校および慶應義塾大学・武藤佳恭名誉教授と共同で、
「新規な抗腫瘍物質としての水素分子:遺伝子発現に基づくメカニズムの可能性」と題した総説論文を発表しました。
がんに対する薬物療法は重要な治療法の一つですが、効果や副作用の問題から満足できる結果は得られていません。
がんは主として細胞内にある核の遺伝子変異により起こり、この変異を起こす「主犯格」は悪玉活性酸素のヒドロキシルラジカルです。
水素は、この核内で生成されたヒドロキシルラジカルを消去することができるので、がんを退縮させることができます。
著者らは、国際英文誌に掲載された水素の抗がん効果に関する動物試験や臨床試験の論文23報を調査して、
水素が副作用のない新規な抗がん物質であることを示しました。また、同時に水素が遺伝子変異を改善してがんを退縮させるメカニズムを提唱しました。
ヒトのがんに対する水素の有効性は合計8報の論文で報告されています。この中でも肺がん、肝臓がん、膵臓がんなどの82人の患者に対する
水素ガスの吸入療法を1日当たり3時間以上、3ヵ月以上継続して行ったChenらの論文は特筆に値します。すなわち、34%の患者は水素ガス吸入のみの治療でしたが、
残りの66%の患者は少量の抗がん剤数種を水素ガス吸入の他に補助的に使用しました。その結果、4週間後に疲労、不眠症、食欲および痛みなどのQOL(生活の質)の改善が41.5%の患者で確認されました。
水素吸入後21〜80日で完全寛解と部分寛解が現れ、全体の病状制御率は57.5%でした。
病状制御率は、ステージIIIの患者がステージIVの患者よりも有意に高く(それぞれ83.0%、47.7%)、最も病状制御率が低かったのは膵臓がんの患者でした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000047753.html