https://news.yahoo.co.jp/articles/3223c9f49be353ad75e8f0dcd260039d4afe7488

高騰続くガソリン 価格を下げようと国が検討始めた「トリガー条項」とは?

しばらく高騰が続いているガソリンですが、なんとか価格を下げるために、政府がトリガー条項という新たな案の検討に入りました。

22日のガソリンの価格は、レギュラー1リットルあたり180円のところも。2年ほど前は1リットルあたり全国平均が120円台でしたが、このところ価格が高騰し、1月には、ついに170円台を突破しました。原因は主に、産油国ロシアとウクライナを巡る情勢が緊迫していることにあります。

国は、石油元売り会社に対する補助金を支給し、ガソリンの価格を下げようとしています。しかし、この補助金は、1リットルあたり5円と上限が決められている上に、3月末までの期限付きです。

こうした中、政府が検討に入ったのが「トリガー条項」です。

そもそも、ガソリン1リットルの小売価格のうち、53.8円はガソリン税です。このうち、25.1円を免除しようとする措置のことを「トリガー条項」といいます。

ガソリン価格が今より一気に25円安くなればありがたい制度ですが、今は法律で「トリガー条項」は凍結されていて、解除するには法改正が必要です。

岸田首相も21日、このトリガー条項の凍結解除について検討すると明言しました。

【坂元キャスターリポート】
「豊中市内のガソリンンスタンドです。何かしらの策でガソリンを安く提供できたとしても、ガソリンスタンド側からすると、期間を限定されると困るということです」

大阪府豊中市のガソリンスタンドでは、ガソリン代が高くなっているものの、来店する客の数は変わっていないといいます。ただ、これまで満タン給油をしていた人が、金額指定やリッター指定に給油方法を変えているそうです。

【ドライバー】
ーーQ:きょういれるのは?
「レギュラー1000円」
ーーQ:満タンは入れない?
「満タンいれない」

【ヒラオカ石油 豊南町CS 松元裕二店長】
「(値下げ)期間がある程度決まっているものでしたら、その時期だけ店舗が込み合う。残量の限りがあるので、来店が多くなると最悪売り切れになってしまう可能性もゼロではない」

ガソリンだけが問題ではありません。原油の価格が上がれば、”他の油”にも影響が出ます。

京都府八幡市にある、いちご狩りをメインにした「おさぜん農園」。5つあるビニールハウスで育ついちごは、寒くなると成長が止まってしまうため最低でも7度以上を保つ必要があります。そのために必要なのが、暖房用の重油や灯油です。

【おさぜん農園 松崎健太さん】
「いま重油と灯油の価格がかなり上がってまして、1月の価格が昨年はだいたい80万円くらいだったんですけど、ことしは130万円くらいまで上がっています」

ただ、政府が検討している「トリガー条項」は、ガソリンの値段には影響しますが、重油と灯油の値段は変わりません。

【おさぜん農園 松崎健太さん】
「私たちには影響はおそらくないと思うので、しばらくは厳しい状態が続くのではないかなと懸念がすごく残る」