花粉症の共同研究めぐる贈収賄の罪 医師らに無罪 大阪地裁

大阪・岸和田市の市民病院の医師が、花粉症の共同研究をめぐって東京にある研究所に
便宜をはかった見返りに現金を受け取ったとして収賄の罪に問われた裁判で、
大阪地方裁判所は「検察官の指摘する根拠はいずれも薄弱だ」などと指摘して無罪を言い渡しました。
贈賄の罪に問われた研究所の代表理事にも無罪を言い渡しました。

無罪判決を受けたのは、市立岸和田市民病院の呼吸器センター長だった加藤元一医師(64)と、
東京・豊島区にある一般社団法人「医療健康資源開発研究所」の小嶋純代表理事(65)です。
加藤医師は専門の花粉症の研究で研究所が共同研究の契約を結べるよう便宜を図った見返りに、
3年前、現金20万円を受け取ったとして収賄の罪に問われました。
また、小嶋代表理事は現金を贈ったとして贈賄の罪に問われました。

きょうの判決で、大阪地方裁判所の矢野直邦裁判長は、
「研究所に対して有利な取り計らいというべき便宜供与がされた事情などは特に見当たらない」と指摘しました。

また、20万円の現金についても賄賂には当たらず「医学専門家としてのアドバイスなどをしたことに
対して支払われたと認められる。知識や経験に対する謝礼として社会通念上許される
限度を超えた金額であるとは必ずしも言えない」と指摘しました。

さらに「検察官の指摘する根拠はいずれも薄弱だ」として贈収賄の罪は成立しないと指摘し、いずれも無罪を言い渡しました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220222/2000058102.html