月面での長期滞在といった宇宙計画が進み、宇宙での食料生産に本格的に挑む時代を前に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、宇宙飛行士を14年ぶりに募集する。長野県川上村のレタス農家出身で、宇宙飛行士の油井亀美也さん(52)は、「農業経験を宇宙に生かしてほしい」と話す。農業の力を生かす新たな宇宙飛行士は現れるか――。(岩下響)

【表】宇宙での食料生産の歩み

世界初となる宇宙産食物を食べた経験を持つ、農家出身の油井飛行士(JAXA/NASA提供)

 宇宙での長期滞在に向けて課題になっているのが食料の確保だ。現在、国際宇宙ステーション(ISS)では空気や水はリサイクルしているが、食料は、無人補給機「こうのとり」などを打ち上げて地上から届けている。莫大(ばくだい)な予算がかかるため、「宇宙で食料生産をしなければならない時代が絶対に来る」。油井さんは日本農業新聞の取材にそう断言する。

 宇宙での植物の栽培実験は1990年前後に始まった。発光ダイオード(LED)照明で育ち、成長が早く、狭いスペースで収量の多い、レタスなど葉物野菜を中心に栽培実験が続けられている

https://news.yahoo.co.jp/articles/8009ecaa1a49ff06a6acdadfb5731909fc524e73