2月23日
にゃあ。

ダーチャに逃げてきた。

この間あったこと:5時過ぎ起きる。ニュース見る。「オデッサで同時多発的に爆発、ミサイルの目撃情報あり、未詳」それだけ。6時を待って義父に電話、車を頼む。7時に妻を起こす。荷物とりまとめ。追報なし。子供のためのあるものが不足していることに気づき最寄りのスーパーへ。美しい朝焼け。レジ長蛇の列。グレーチカ(ソバの実)はや払底、買い物カゴ覗くと水・生理用品など目立つ。外ではまた銀行ATMに長蛇の列。8時やっと義父来る。下り(街から郊外へ)方向渋滞。ごつい銃を携えた兵士たちが半身を乗り出している戦車の列。用事を済ませながらだいぶ遠回りしてダーチャに着いたのが11時。で今はウクライナ時間の12時です。ネットも電気もぜんぶある。

政治と生活。政治については一昨日の予想を上方修正、ロシアはドンバスをとるだけでなく現政権を転覆して事実上ウクライナそのものを掌握する気だ。それに抵抗する牙と爪を折るために全土の戦略拠点をピンポイント爆撃してきた。だが「生活」についてはある意味で想定の範囲内というか・・こうなったらこうすると予め考えたいた通りに粛々とお籠り(お子守り)生活を送るだけ。

このようなことをあえてしてきた時点で十分ロシアは悪魔であるが、しかし「そういう種類の悪魔ではない」。つまり、同じ悪魔でも、ウクライナの市街と無辜を無差別に破壊・殺傷するような種類の悪魔ではない。飽くまでロシアはロシア的正義の中でしか行動しない。その正義は理解可能である。共感は絶対に拒絶するが。

ロシアの陋劣さを思うと怒りで頭に血がのぼって過呼吸になる。だがそうならないように気をつけてさえいれば、むしろ今家族で(義父母を含め)一番精神的にだいじょうぶなのは私だ。そんなことはあり得ないと一笑に付していた皆さんと違って、こういうこともあり得るという不安の中に1か月暮らしたのだから。

おっ死んだらごめんね。皆さん。寝覚めの悪い思いをさせてしまって。一応遺言を言っとこう。私に退避を促すことにつき大使館職員の皆さんは最善を尽くしてくださった。それを聞き入れずにウクライナに残ったのだから、もうこれは完全にいわゆる自己責任です。自己責任。

https://nanioka.com/five-days-in-january/