元プロボクサーの亀田興毅氏ら亀田三兄弟と所属事務所「亀田プロモーション」が、違法な処分から国内で活動が
できなくなったとして、日本ボクシングコミッション(JBC)と理事らに約6億6000万円の損害賠償をもとめた裁判で、
東京高裁は2月24日、処分を違法とした1審・東京地裁判決を支持。そのうえで、賠償額を計4550万円から計1億円に
増額する判決を下した。
1審判決を不服としたJBC側と、賠償額を不服とした亀田側の双方が控訴していたが、高裁判決はJBCの控訴を棄却。
亀田側は現時点で上告しない考えで、会見した長男・興毅氏は「JBCは最高裁に上告するかわかりませんが、
僕らは勝利宣言かなと思ってます」と高らかに口にしたうえで、本件に関与した理事らの辞任を求めた。
賠償額が1億になった理由
2013年のIBF(国際ボクシング連盟)スーパーフライ級王者だった大毅氏が、WBA王者との2団体王座統一戦に
おけるトラブルをめぐり、混乱を招いたとして、JBCは2014年、亀田ジムの会長やマネジャーらのライセンス更新を認めなかった。
これによって、亀田ジムは国内での活動ができなくなったとして、訴訟を起こした。
亀田側の北村晴男弁護士は、賠償額倍増の理由について「まだ精査できていないが、この違法な処分がなければ、
おこなうことができた試合数が1審では最低でも1試合、高裁では少なくとも2試合はできたはずと認定したところが、
その結論に大きく影響していると考えている」と説明した。
「JBCはプロボクシングの世界で絶対的な権力者。マスコミも取材制限されるので批判できない。
誰からも批判できない組織だったが、裁判所が違法行為をおこなったという認定をしてくれて、感謝している」(北村弁護士)
判決を受けて、処分に関与した理事らの辞任など、組織体制の抜本的な改革を求めた。
JBC理事長「判決の金額に驚き」
亀田側の会見の数時間後、JBC側もオンラインで会見を実施した。
永田有平理事長は「率直な意見として、判決の金額には驚いている」として、最高裁への上告については弁護士と
相談のうえ対応を考えるとした。
「控訴事件判決はJBC側一部について敗訴となり、賠償金約1億円の支払いを命じることでした。裁判においてはJBCの
主張を申し述べておりましたが、受け入れていただけない判決で残念に思っています。精査して今後の対応を考えます」
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