現代沖縄人DNAの遺伝系統「日本本土に近い」
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 琉球大学大学院医学研究科の佐藤丈寛博士研究員、木村亮介准教授、北里大学、統計数理研究所の共同研究チームが、
現在の琉球列島に住む人々の核ゲノムDNAを解析した結果、遺伝的に琉球列島の人々は台湾や大陸の人々とつながりがなく、日本本土により近いという研究成果を発表した。

 琉球大学が16日、発表した。また、沖縄本島から宮古、八重山諸島へ人々が移住した時期をコンピューターで計算した結果、古くても1万年前以降と推定。
宮古のピンザアブ洞穴人(2万6千年前)や石垣の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴人(2万年前)は、現代の宮古、八重山の人々の主要な祖先ではないと結論付けた。
これまで、骨や一部DNAの分析から、琉球列島の人々は中国や台湾より日本本土の人々と近いとする研究成果が発表されてきたが、
今回、初めて全ゲノムを網羅した解析によって同様の結果が導かれた。今後の琉球列島の人々の起源を探る研究の一助として注目されそうだ。

日本側から大陸へは、A:朝鮮半島沿いを北上 B:東シナ海を渡海 C:九州西側沿岸を南下して沖縄本島から上海に渡海といったルートがあった。

 約2万6000年前に宮古諸島に存在したとみられるピンザアブ洞穴人や、約2万年前の白保竿根田原洞穴人(八重山)は
「現在の宮古・八重山諸島の人々の主要な祖先ではない」と結論付けた。

 一方で約1万8000年前に沖縄本島に存在したとみられる港川人と、現在の琉球列島の人々との遺伝的な関係を否定することはできなかったという。
ただ、今後の精査の必要性を認めた上で、「港川人もまた、沖縄諸島の人々の主要な祖先ではない可能性は高い」とまとめた。