https://www.tokyo-np.co.jp/article/162266
新型コロナウイルスの新薬開発を巡り、虚偽の情報を流したとして、警視庁捜査2課は25日、金融商品取引法違反(偽計取引)などの疑いで、医療関連会社「セネジェニックス・ジャパン」(東京都千代田区、破産手続き中=セネ社)元役員の竹森郁容疑者(50)=港区浜松町=らを逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

 セネ社は2020年4月、ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」(東京都新宿区)とコロナ新薬の共同開発を発表。メキシコで臨床試験を開始し、イダルゴ州で薬事申請が承認されたなどの情報を相次いで公表し、テラ社の株価は100円台から1カ月半後に1時2100円台に急騰した。

しかし、同12月、テラ社はメキシコで新薬の薬事承認が得られなかったとして、開発からの事実上の撤退を発表した。その後、セネ社との関係に疑義が生じたとして調査を開始。昨年12月、セネ社側の虚偽の報告で損害が生じたとして、竹森容疑者ら元役員3人を相手取り損害賠償を求めて提訴していた。

 捜査関係者によると、竹森容疑者らは20年春以降、コロナ新薬開発を巡り、だます目的で虚偽の情報を流すなどしたとされる。