<新型コロナ>第6波「致死率」が「重症化率」上回る 医学的には重症なのに…「軽症」扱いで亡くなる高齢者相次ぐ
2022年2月27日 06時00分
新型コロナウイルスの第6波で、致死率が重症化率を上回る現象が起きている。ワクチン3回目接種が進まず、第5波と比べて免疫が低下した高齢者の感染が増加。体力のない高齢者は人工呼吸器など負担のある治療を受けられず、新型コロナ重症者の定義から外れ、「軽症」扱いで亡くなるケースが後を絶たない。現場の医師は「医学的には重症なのに、統計に表れていない」と訴える。(沢田千秋、原田遼)
◆人工呼吸器は体に負担
第6波で流行するオミクロン株の重症化率の低さは、国内外の研究で示されてきた。東京大の仲田泰祐准教授(経済学)らの推計では、23日時点で、東京都の第6波の重症化率は0.04%で、第5波の0.66%の16分の1しかない。
ただ、致死率は0.06%で重症化率より高い。厚生労働省に助言する専門家組織アドバイザリーボードの資料によると、大阪府でも致死率が重症化率を超えた。
オミクロン株より毒性が強いデルタ株の第5波では、40〜50代を中心に肺炎で重症化。人工呼吸器などを使った高度な治療を経て亡くなる人が多く、致死率は当然、重症化率より低い。ところが、第6波では、重症と診断されないまま死に至る高齢者が多いために、致死率が重症化率を超える逆転現象が起きた。
※略※
https://www.tokyo-np.co.jp/article/162536