https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH207FA0Q2A120C2000000/
身近なモノが10年後にどう変わったらうれしいですか?
日本精工(NSK)はトライボロジー・カンパニーです。トライボロジーとは摩擦を科学すること。摩擦をうまく制御し、モノの動きを滑らかにすることで、動力の伝達効率を向上させ、エネルギーロスを軽減します。
摩擦と聞くと、ネガティブな印象が強いかもしれませんが、摩擦がないと機能しないものも多くあります。例えば、航空機が空を飛ぶのは、空気抵抗という摩擦が存在するからです。北京冬季五輪が始まりましたが、摩擦がないとスケートで前に進むこともできません。路面とタイヤの摩擦があるから、自動車も安全に進むことができます。摩擦は日常生活に不可欠なものですが、それが動きを妨げ、スピードやパワーをそいでしまうこともあります。
摩擦を制御し、動きを円滑にするために必要なのが、NSKが手掛けるベアリング(軸受け)やボールねじなどです。回転そのものの摩擦を少なくしたり、回転運動から直線運動を生み出したり、エネルギーの伝達効率を高めるうえで、ベアリングが果たす役割は大きいです。私たちが普段使っている家電を例にとっても、掃除機の吸引力を高め、より静かに長時間稼働するために、モーターなどの動きを支えるベアリングが欠かせません。エアコンが素早く稼働するのも、適度な室温に調整できるのも、ベアリングがあるからなのです。
今、環境問題への対応が、世界的な課題になっています。風力発電の風車の回転にも、電気自動車(EV)の駆動システムやブレーキにも、ベアリングやボールねじによる摩擦の制御は欠かせません。新しいエネルギー、新しい移動手段を効率よく、支障なく動かす。世界中で高速化が進む新幹線などの車両を、ずっと安全に運行させるためにも、ベアリングは不可欠で、日本と欧州のベアリング技術は、世界でも最高峰の水準だと評価されています。
もっと速く、もっと強く、もっと滑らかに、日常使っている機械や道具には改善してほしい余地がまだまだ多く残っています。長い時間使い続けても壊れない耐久性も、同時に問われます。社会のこうした要請に応えることで、ベアリングの技術は進化し、それが最終製品の質の向上につながります。
そこで読者の皆さんにお願いです。あなたの身近にあり、日常、いつも使っているモノが10年後、どんな風に変わっていたらうれしいですか。毎日の生活で必要なモノが、もっと便利になり、もっと安全に使えるようになったら、私たちの生活はきっと良くなっているはずです。こんなものがあったらいいな、と思うアイデアも含めて、皆さまからの、斬新なご提案をお待ちしています。私たちNSKと一緒に10年後の、今より豊かで笑顔があふれる社会を実現していきましょう。