北京オリンピックは「4位にドラマあり」 高梨沙羅と羽生結弦に見る「集団」と「個人」
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2/27(日) 11:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/f004203645f8ca66045e2734eeac317f45117efc
2月20日、北京オリンピックが幕を閉じました。この大会で、日本は金メダル3個、銀メダル6個、銅メダル9個の計18個のメダルを獲得。
過去最多だった前回の平昌大会の13個を上回る結果となりました。
建築家で、文化論に関する多数の著書で知られる名古屋工業大学名誉教授・若山滋氏は、スキージャンプ女子の高梨沙羅選手や
フィギュアスケート男子の羽生結弦選手の結果を踏まえ、「今回は4位にドラマがあった」と感じたようです。
若山氏が独自の視点で北京オリンピックを振り返ります。
二つの4位
健気にも2回目のジャンプをこなしてランディングしたとき、高梨沙羅はその場で泣き崩れた。小さい身体がさらに小さくなった。
しかしこの映像が世界に与えたショックは小さくないだろう。スーツの規定違反に関する検査者には今も多くの疑問が呈されている。
高梨のSNS(インスタグラム)では、真っ黒な画像とともに、日本チームとその関係者と応援した人々に対する強い謝罪が表現され、彼女の精神的なケアが問題となった。
一方、金メダルが期待された羽生結弦は、ショートプログラムの最初から失敗した。氷の穴に引っかかったという。珍しいことだ。
しかし羽生はさほど落ち込んだ様子を見せなかった。フリーでも高得点を出せずメダルに手が届かなかったが、
当人も他のスケーターもまたファンも、この結果を淡々と受け止めているようで、むしろ4回転半への挑戦を評価した。
スキージャンプ混合団体戦、フィギュアスケート男子シングル、どちらも4位という、わずかにメダルに届かない結果は、何かしら象徴的であった。
そしてこの二人の闘いとその結果に対する本人と周囲の反応を中心に、今回のオリンピックでは、世界の風土と民族の葛藤の問題、
人間というものの集団と個人の葛藤の問題を見るような気がした。