コロナ禍で葬儀のあり方が大きく変わった現状は、以前にもお話しした通りです。小規模化・秘密葬儀が多く見受けられるようになりました。
一方、コロナの影響抜きに、以前より顕著に増えているのが独り身の方の直葬です。葬儀をせず、火葬のみを行うものです。なぜでしょうか。
20年ほど前ですと地縁が濃く、独り身の方でも地域とのかかわりが多くありました。喪主を務める方がいなくても、葬儀は行うものでした。
親族が中心となって段取りすれば、香典という相互扶助システムも機能していたので、費用も賄えたのです。
現在は寿命も伸び、80歳以上で亡くなる方が増えました。そのような方は施設に入所し、地域とのかかわりもなくなります。亡くなったことさえ人知れず、葬儀の意味も曖昧になります。
子どもがいる方でも、本人が90歳以上ともなれば当然その子も高齢で、葬儀は孫が出すということになります。
3世代同居が珍しい現在、孫は家族という認識も薄れ、葬儀の必要性を見失うのは当たり前のことだと思います。
https://mainichi.jp/articles/20220218/ddl/k30/070/403000c