古着ブームの裏側に高まる若者の環境意識? 「優しい目線」の買い物が欲しい未来を引き寄せる

── 木村さんの周りには環境とか倫理とかを理由に古着を着ている若者がいると聞きましたが本当ですか?

ええ、全体からの割合はわかりませんが、周りにはそういう人が多いです。「どの新品を買っていいのかわからなくなってしまった」と言って古着に走っている人が。

映画『トゥルーコスト』を見たり、グレタ(トゥーンベリ)さんがスピーチしているのを聞いたりして「不都合な真実」をいろいろと知ってしまった結果、
何を買っていいかわからなくなってしまったと。知った上でそのまま消費していると、自分も非倫理的な振る舞いに加担しているように感じてしまうみたいで。

そういう人が古着に走る気持ちは自分もよくわかるんです。着ていて罪悪感がないから。
何をやるにも大体はどこかに負荷がかかるものだけれど、古着に関しては流通の輸送コストくらいのものなので。

── 昔と比べれば環境や倫理への配慮を謳うブランドも増えていると思うんですが、「選べない」っていうのはどういうことなんでしょう?

確かにそういうブランドも増えていますよね。うちは環境にいいとかサステナブルということは特別謳っていないけど、
私自身がそれまで勤めていた大手を辞めて事業を始めたのも、もともとはそこですし。

私が独立したきっかけのひとつは『あなたのTシャツはどこから来たのか?』という本を読んだこと。Tシャツも農作物なんですよ。もともとは綿だから。
土から生えてきている。自分の着ているTシャツがどういう綿でできていて、どこの誰が働いた結果としてできているのかを綿畑から追っていくのが、この本です。

さらに遡れば、1999年にナオミ・クラインが書いた『ブランドなんか、いらない』という本。
アパレル業界の大量生産を批判する本の先駆けで、ここから『トゥルーコスト』にもつながっていく。

このあたりの本がきっかけとなって、エシカルとかサステナブルとかに興味を持ち、いまの事業を始めたんです。

でも、ひとくちにエシカル、サステナブルというけれども、解きほぐしていくと、3つの論点が絡み合っていると思うんですよ。

https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/87.html