バフェット氏、投資機会不足に苦慮 現金が過去最高水準

[26日 ロイター] - 米バークシャー・ハザウェイを率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏は26日、毎年恒例の「株主への手紙」を公表し、良い投資機会が不足しているとして巨額の現金保有を続ける意向を示した。

バークシャーは2020年と21年に合計517億ドル相当の自社株買いを実施したが、現金保有はなお1467億ドルと過去最高水準に近い。

バフェット氏は「(株式市場には)われわれを興奮させるものがほとんどない」と説明。また「現在は買収よりも社内の機会の方がはるかに良いリターンを生み出している」と述べ、大型買収に消極的な考えを示した。

巨額の現金保有については、バークシャーが抱える災害保険など保険事業の損失に対する備えだと説明した。

バークシャーの2021年の営業利益は、前年比25%増の274億6000万ドルと過去最高を記録。うち3分の1以上を鉄道のBNSFとバークシャー・ハザウェイ・エネルギーが生み出した。

純利益は2倍以上の898億ドルで、アップル、バンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エキスプレスなどの投資収益が貢献した。

<4つの柱>

バフェット氏は書簡で、保険事業、BNSF、バークシャー・ハザウェイ・エネルギー、アップル株を「4大」要素とし、「われわれの目標は、耐久性のある経済的強みと一流の最高経営責任者(CEO)を兼ね備えた企業に意義ある投資をすることだ」と述べた。

また「オールドファッションな利益」を好むと説明。一方で不正な利益の『調整』が、株価上昇局面で多くなったと指摘した。

大量の現金所有は、保険部門のヘッジの役割を担っていると説明。

手元現金は300億ドル以上を維持すると約束した。これまでは最低200億ドルと言っていた。

https://jp.reuters.com/article/berkshire-buffett-idJPKBN2KW17O