ともに注意欠陥・多動性障害（ADHD）を抱えながら、子どもを4人もうけた夫婦が米ミシガン州にいる。4人の息子のうち、2人はすでにADHDと診断されている。コーチと二人三脚で奮闘しながらも明るく暮らす家族の日常を、米「ニューヨーク・タイムズ」紙が取材した。
ミシガン州グランドラピッズの近郊で、ダンとメリッサ夫妻は4人の息子たちと暮らしている。
ロバーツ家の息子たちは平日の朝、学校までのドライブ中に好きな音楽を聴く。夫婦はこの間、息子たちに順番にかける音楽を選ばせるようにしている。イマジン・ドラゴンズ、エド・シーラン、そしてサム・スミスが彼らの最近のお気に入りだ。
最近では登校時間に遅れなくなっただけでなく、息子たちが文句を言うこともなくなった。以前は、彼らがいつまでもパジャマ姿のままで、大急ぎで家を飛び出すせいでバックパックを忘れてきてしまうような朝を送っていたからだ。「一つの活動から別の活動に移るのは難しいんです」と、母親のメリッサは言う。
「面白くないと彼らは集中できません。やろうと思えばできる、というものではないんです」
コーチ自身もADHDを抱えている
メリッサも夫のダンも、注意欠陥・多動性障害（ADHD）がある。ADHDは、時間管理と感情コントロールの両方が困難な神経発達障害だ。上の2人は9歳と7歳で、すでにどちらもADHDと診断されている。下の2人は4歳と2歳で、まだ検査を受けていない。
メリッサは、朝の準備が滞りなく進むようになったのは、ADHDコーチのタマラ・ロージエ博士のおかげだと考えている。多くのADHDコーチが自身もADHDを抱えているように、ロージエもその1人だ。彼女は言う。
「私たちには、楽しいことを追求する脳が備わっています」
ロージエは、ロバーツ家の全員が、ほかのことに気を取られることなく、やる気が出る方法を教える。たとえば車内でカラオケ大会をすることにより、車での通学という日課をもっと面白いイベントに変え、一日を明るい雰囲気で始められるようにする。また、洗濯や請求書の支払い、朝の準備のような作業は退屈なことも多いため、「何でもゲーム形式にする」のだという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d0c922c131f5adb4f3c6bdad5bbd9dc32604147
