https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakahisakatsu/20220223-00283323
モノンクル アニメ『ヴァニタスの手記』ED曲でも提示した、その「映像が見える音楽」の魅力
モノンクル初のアニメED曲
吉田沙良(Vo)、角田隆太(B)によるソングライティング・デュオ、モノンクル。2011年に結成され、ジャズを起点にR&B、エレクトロ、様々な音楽を自由に取り入れ、その音楽性をひとことで説明するのは難しいが、枠組みを設定せずにクールで、聴いた瞬間に頭の中に映像が流れてくる、独特のセンスが薫るハイブリッドなポップミュージックを発信してきた。
その音楽は多くのアーティストからリスペクト、支持され、注目を集める存在だ。そんなモノンクルの音楽を、アニメシーンも放っておかなかった。1月から放送中の人気アニメ『ヴァニタスの手記(カルテ)』の、第2クールのED曲「salvation」(2月23日発売)は、モノンクルにとっては初のアニメタイアップとなる。二人にインタビューし、初めての“アニソン"への向き合い方、モノンクルの音楽が目指しているものを聞いた。
「原作を読み、望月先生の本当に伝えたかったことと、自分の受け止め方が違うかもしれませんが、感じたことを煮詰めすぎず素直に出しました」(角田)
「このアニメは、原作がそうであるように、音に部分での作り込みも徹底的にこだわっているのが伝わってきます」(吉田)
(C)望月淳/SQUARE ENIX・「ヴァニタスの手記」製作委員会
『ヴァニタスの手記(カルテ)』は『交響詩篇エウレカセブン』や『僕のヒーローアカデミア』など、超人気アニメーションを制作する日本を代表するアニメ制作スタジオ・ボンズが手がけ、緻密に構築された世界観、魅力的なキャラクターたちが織りなすドラマ、そして素晴らしいアニメーションで注目されている。初めてのアニメとの取り組みが、すでに多くのファンを獲得している人気作品のエンディングテーマということで、プレッシャーはなかったのだろうか。そして楽曲を手がける角田は、原作のどの部分に光を当て、歌詞とメロディを紡いでいったのだろうか。
「アニメ好きなので、100%希望しかなかったです(笑)。原作を読んでまず感じたのは、設定がとても入り組んでいて、しっかりと作りこまれている世界観、という印象でした。でも読み進めていくうちに没入感がすごくて」(吉田)。
「まだコミックスで出ているところまでしか読んでいなかったので、結末は知らなくて、原作の望月淳先生が本当に伝えようとしていることと、もしかしたら僕の受け止め方が違う部分も出てくるかもしれないけど、その中で僕なりに感じたことを歌詞にしました。なので思ったことをあまり煮詰めすぎず、素直に出していこうと思って書きました」(角田)。
「テレビアニメの第1期オープニング(ササノマリイ『空と虚』)もエンディング(LMYK『0(zero)』)もめちゃくちゃかっこよくて、今期のオープニングもリトグリさんで、原作と同じように音の部分での作り込みも徹底的にこだわっているのが伝わってくるので、そこもこのアニメの好きなところです」(吉田)。
「“救い"とはなんなのかということを、問いかけられている気がして」(角田)
そんな制作サイドの期待に応え、「salvation(サルベーション)』はR&Bテイストの、アニメのエンディングテーマとしては“意外“ともいえる温度感を感じさせてくれる、クールだが情熱的な一曲に仕上がっている。トラックメイクは冨田ラボだ。ボーカル吉田の繊細かつ大胆な表現力とテクニックで、歌詞と、その行間に浮かぶ複雑な感情もきちんと掬い、届けてくれる。『ヴァニタスの手記』は19世紀のフランス・パリを舞台にした「救い」と「呪い」、人間と吸血鬼の物語だ。曲のタイトルも「salvation」=「救い」だ。
「“救い"とはなんなのかということを問いかけられている気がして、そこを丁寧に掘って、掬いあげていった感じです」(角田)。
「この曲もそうですが、角田さんが書く詞の世界観は、すごく聴き応えがあるし、頭の中に映像が流れてくる歌詞と音楽なんです」(吉田)
「コロナ禍で自分と向き合う時間が増え、気づいた、ありのままでいる自分を持つことの大切さ」(吉田)
モノンクルはコロナ禍の昨年、3月、5月、6月、8月と立て続けにデジタルシングルをリリースし、音楽と言葉をファンに届け続けた。そして自身も気づいたことが多い2年間だった。それはこれからのモノンクルの音楽、歌にも昇華されそうだ。
「家にレコーディング機材を揃えて、スタジオに行かなくても録音できる環境を整えました。それによってデジタルリリースという形でどんどん出せました。これで音楽を発信できることというのは、自分の人生にとってプラスになったというか、音楽家としてやるべき事だと思ったので、状況は関係なくやっていこ