安倍元首相は自身の政権下でなんと11回訪露し、プーチン大統領とは計27回の首脳会談を行っている。

「ロシアがウクライナ国境に軍隊を集結させていた昨年末から、安倍元首相に対し、
この緊張時に政治的役割を果たすべきという期待がありました。が、なにもできなかった。

やったことといえば、自身の派閥会合で、『岸田首相がプーチン大統領と会談することになる。
日本の立場を説明し、この事態が平和裏に解決される努力をしなければならない』と、他人事のように注文するだけでした」
(安倍周辺議員)

「いまの俺は首相という立場ではないのだから関係ないね」といわんばかりの対応に、党内でも失望が広がった。
政権を去ったあとも、世界平和に尽くすため外交特使として老骨にむち打ったカーター元米大統領らとはほど遠い、
日本の「有力政治家」の実情だ。

しかも、この安倍発言があった時点で、日露首脳電話会談はまだ「調整中」だった。
つまり、公表前の「外交機密」を漏洩してしまった安倍元首相。顰蹙を買ったのはいうまでもない。自民党重鎮が、重い口を開いた。

「安倍元首相は、北方領土返還交渉にともなう平和条約の締結を目指していた。
そのために、アベノミクスを駆使した経済協力で、せめて2島でも返還を成し遂げようという思いだったろう。

安倍は『東方経済フォーラム』に参加することになったが、その『成果』は北方4島での『イチゴ栽培』。
安倍は、プーチンに踊らされただけなんです」

したたかなプーチン外交にいいように振り回された日本。
つまり、ロシアのウクライナ侵攻に対し安倍元首相が「外交カード」として影響を発揮できるなど望むべくもない。

「外務省も岸田文雄首相もそれがわかっている。だから『安倍を特使としてモスクワに派遣』など微塵も考えていない」
と重鎮議員は付け加えた。

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