ドン・キホーテが発売した「受信料不要テレビ」。他、NHKだけ受信しない装置「IRANEHK(イラネッチケー)」も
このテレビは「放送法64条1項に規定する協会の放送を受信することのできる受信設備にあたらないため、受信契約の必要はありません」(NHK広報局)という。
そんな「受信料不要テレビ」の台頭もあり、NHKは岐路に立たされている。

BS契約を含めて、NHKの受信料は月額2220円。受信料収入は2014〜2018年度に5年連続で過去最高を更新した。
未契約世帯には、受信料の支払いを求める訴訟を積極的に起こしている。2017年には最高裁判所が、受信設備、つまりテレビを設置している国民はNHKを視聴しない場合でも、
契約を締結し受信料を支払う義務があることを認める判決を下した。 判決によって徴収率は大幅に上昇し、今やNHK本体と子会社の内部留保(連結余剰金)は3700億円を超える。
このように“受信料様々”のNHKにとって、「受信料不要テレビ」が普及すれば、収入源が断たれることになり、経営基盤は揺らぎかねない。

そんななか、噂されているのが「ネット受信料の徴収」だ。NHK関係者が語る。
「地上波放送の同時配信や見逃し配信をするネットサービス『NHKプラス』を2020年4月に開始しましたが、今年の4月からは受信契約を結んでいない人も視聴できるようにして、
どう受け止められるか査する社会実証実験をするようです。

『NHKプラス』の登録申請数は今や160万を超える。上層部もネット配信の整備は急務と考えており、この社会実証実験は、将来ネット視聴がスタンダードとなった時に
受信料の負担を求めるための布石と取り沙汰されています」

NHK広報局は『週刊ポスト』の取材に対し、「社会実証実験は『ネット受信料』を前提や目的にしたものではありません」と回答する一方で、
「今後の受信料のあり方については、様々な研究をしているところです」とも答えた。

嘉悦大学教授で元内閣官房参与の高橋洋一氏は、ネット受信料の徴収は現実的に難しいと見る。

「視聴スタイルが様々に変化するなか、パソコンやスマホなどのネット視聴すべてに受信料をかけるのは無理があります。
そもそも世界的に見て、受信機に受信料を課す公共放送は大きなところではイギリスのBBCとNHKくらい。
そのイギリスでも文化大臣が、受信料制度の見直しを議論すると言うなど、抜本的な改革を図っている。

多くの国の公共放送は、受信機の設置にかかわらず、全世帯から少額を徴収したり、国が補助金を出したりする方向で見直しされています。
パソコンやスマホで番組を視聴でき、受信料不要テレビまで登場した現在、ネット受信料どころかそもそも受信料制度を維持するのが現実的ではない。
実際にいくつかの公共放送でも番組にCMを入れて広告料を稼いでいます」

受信料を徴収するNHKに対する国民の反感は大きく、過去にはNHKだけを受信しないようにする装置「IRANEHK(イラネッチケー)」が大きな話題となった。

「現在のNHKの番組はスポーツやバラエティなどエンタメばかりで“民放化”が進み、すべての番組に公共性があるとは言えません。
しかもNetflixが月額1000円程度で見られるのに対し、NHKは倍の月額2220円。視聴者が納得しないのは当然です。
私がかねて提案するようにNHKは教育チャンネル(Eテレ)周波数帯を売却して、災害放送など公共放送と呼べる内容に特化した上で、
受信料を半額にするくらいの抜本改革が求められます」

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%B0%82%E7%94%A8%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E5%87%BA%E7%8F%BE%E3%81%A7nhk%E5%8F%97%E4%BF%A1%E6%96%99%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%8C%E5%B2%90%E8%B7%AF%E3%81%AB-netflix%E3%81%AE2%E5%80%8D-%E3%81%AE%E5%89%B2%E9%AB%98%E6%84%9F/ar-AAUwYlN?ocid=ob-tw-jajp-661