識者「脅しの材料になると分かってしまった」 ウクライナ原発火災
https://mainichi.jp/articles/20220304/k00/00m/030/156000c
ロシア軍が侵攻するウクライナの南東部ザポロジエ原発で、火災が発生したと報じられていることについて、福島大環境放射能研究所の難波謙二所長は「チェルノブイリ原発事故の放射性物質の拡散状況から考えて仮にザポロジエ原発で事故が起きた場合、ウクライナの外相が言っているようにチェルノブイリの10倍の被害というのは的外れではない」と指摘する。

その上で「放射性物質による汚染はウクライナの国境を軽く越えて欧州全土や中東、近東にまで広がる恐れがある。原発近くにある労働者の町も立ち入り禁止になる可能性が高い。原発を占拠してしまえば、脅しや交渉の材料として使えるということが分かってしまった」と話した。

 難波所長らは、ウクライナの複数の研究機関と共に、チェルノブイリ原発事故によって飛散した放射性物質の影響や生態系の変化について、チェルノブイリ原発から半径30キロ圏内の立ち入り禁止区域内で調査している。