https://kahoku.news/articles/20220304khn000045.html
青森県八戸市の百貨店「三春屋」を運営するやまき三春屋(同市)は4日、4月10日で同店を閉店させることを明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う売り上げ低迷などが理由。計画していた3月末の改装オープンを断念し、従業員約70人は解雇される見通し。
同社の土谷与志晴社長は取材に「テナントの誘致が思うように進まなかった」とした上で「これ以上(閉店の)判断を先延ばしできない。従業員の再就職を全力で支援する」と述べた。
3日に閉店方針を従業員に伝え、4日には取引先にも説明したという。
同社は昨年8月、地下の食品売り場など直営事業を縮小するため、全従業員の7割に当たる約90人に解雇や雇い止めを通知。同9月に方針を転換して食品売り場を存続させ、核テナントを誘致するリニューアル計画を発表していた。
三春屋は1970年に百貨店としての営業を開始。ダイエーの傘下を経て2019年、商業施設の再生を手掛ける「やまき」(東京)に譲渡された。土谷社長によると、20年度の売上高はコロナの影響で19年の半分に落ち込んだという。
八戸市の熊谷雄一市長は「長く親しまれ、中心市街地のにぎわいに貢献いただいてきただけに残念だ」との談話を発表した。