うたの雫:それでも空を仰ぐ=加藤英彦 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220307/ddm/014/070/004000c
<うたの雫(しずく)>
・独房に幻のごと流星雨降る夜なれば生きてと祈る 重信房子
この流星雨は幻だろうか。生きてとは今もパレスチナで闘う同志への祈りか、戦禍に生きる子らを案じたか。あるいは重信に褒賞をと告げて緊迫するアラブへと発(た)ったライラ・ハリドを思ったか。独房もまた過酷で熾烈(しれつ)な環境ではある。
重信房子は日本赤軍の最高幹部であった。国際テロリストとしてハーグ事件への関与を問われ、懲役20年の刑を受けて今も服役中だ。右は獄中出版された歌集『ジャスミンを銃口に』にある。
この記事は有料記事です。