・プーチンが度々口にする「ネオナチ」の意味するもの
そして、ゼレンスキー政権がキエフから去ったなら、プーチン大統領はウクライナのナショナリズムを解体していく。
プーチン大統領が度々口にする「ウクライナの非ナチ化」です。

「ウクライナの非ナチ化」という言葉が、日本人にはわかりにくいと思うので、説明しておきましょう。
ウクライナ民族解放運動の指導者で、ステパン・バンデラ(1909〜1959年)という人がいました。
バンデラは第2次大戦中に、ポーランドとウクライナに侵攻したナチス・ドイツと提携し、
ナチス・ドイツ軍の指揮下に入ってソ連軍と戦い、ソ連からウクライナの独立を図った時期があります。
しかし、ウクライナ独立の約束をナチスは守らず、バンデラはナチス占領下でウクライナ独立を宣言したために逮捕されるのですが、
反ユダヤ主義者でもあり、ユダヤ人虐殺に関与しています。

ソ連時代には、「ナチスの協力者」「過激な民族主義者」「テロリスト」という意味で憎悪の対象として教えられていましたが、
近年のウクライナでは「独立のために戦った英雄」として再評価され、
2016年にはキエフの中心にあった「モスクワ通り」の名前は「バンデラ通り」に変わりました。

プーチン大統領はこうした動きを指して「ネオナチ」と言い、ウクライナのナショナリズムを解体していこうと考えているのです。